埋蔵文化財の整理等作業(その1)

投稿者: magatama in 出土物整理, 報告書作成, 遺跡紹介 | コメントを残す

毎日のように、市内各所では埋蔵文化財の発掘作業がおこなわれています。

発掘作業の成果については、「現地説明会」という形で主にまつやま市民の皆様を対象に可能な限り一早く公開しています。

発掘作業が完了すると、埋蔵文化財センターでは調査の記録類(測量図面や日誌、写真など)の内容確認にはじまり、発掘作業の過程で発見された大量の遺物(土器や石器などの破片が圧倒的に多い)の整理等作業をおこなっています。

このような整理等作業をおこなう目的は、発掘調査で得られた情報を客観的かつ的確にまとめた発掘調査報告書(以下「報告書」といいます。)を刊行することです。

発掘調査はこの報告書が適切に刊行されることによって完結する、ものと定義されています。

報告書を広く公開し、まつやま市民がその情報を共有し、また活用できるように、展示会や講座等で一早く発掘調査の成果をご紹介できるように、発掘作業を指揮した調査員は整理等作業に従事しています。

 

ここでは、報告書刊行に向けて整理等作業を進めている実際のケースを挙げて、松山市立埋蔵文化財センターの建物内で担当調査員がどのように取り組んでいるかを、10回シリーズで紹介します…。

現地説明会の様子

現地説明会の様子

 

今回はシリーズの1回目。

実際に整理等作業を進めているのは“道後湯之町遺跡2次調査”です。

1枚目の写真は今年の6月18日におこなった現地説明会の様子です。

遺物台帳への登録

遺物台帳への登録

2枚目の写真は発掘作業で発見した遺物のうち、土器の破片を1点ずつ台帳に登録しているところです。

 

この台帳は整理等作業や保管・管理における基礎資料として、重要な意味をもちます。

観察図(実測図)を作成する必要のある土器の破片だけでおよそ500点余りもあり、台帳登録作業は年末まで続きそうです……。

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