土居窪遺跡４次調査（どいくぼいせき）

所在地 　：　松山市祝谷二丁目 調査期間：　2015（平成27）年11月16日～2015（平成27）年12月25日 調査主体：　公益財団法人松山市文化・スポーツ振興財団　埋蔵文化財センター

１．周辺の遺跡

調査地は、松山神社南西の緩傾斜面の標高39.8～41.9mに立地し、調査地は宅地として利 用されていました。調査地周辺には土居窪遺跡2次調査、土居窪Ⅲ遺跡、また調査地の北西に祝谷畑中遺跡２次調査、祝谷畑中遺跡３次調査など、弥生時代前期～古墳時代初頭にかけての集落関連遺跡が見つかっており、特に弥生時代前期末～中期中葉の環濠が検出されたことから松山平野でも特に注目されている地域です。

２．調査の概要

今回は、調査対象範囲の都合により調査区をＡ区・B 区とし、調査地内2ヶ所での調査となりました。 　Ａ区の調査では、弥生時代の竪穴建物１棟、柱穴10基、性格不明遺構1基などの集落関連遺構が見つかりました。弥生時代中期以降の隅丸方形の竪穴建物（SB1）では、埋土中に焼土、炭化材が部分的にみられ、遺物は弥生土器片が出土しています。 　B区は、調査地の南部に位置します。調査では、地山上面にて遺構を検出しました。遺構は大規模な溝１条、柵列１条、柱穴７基、性格不明遺構２基です。遺物は柵列、柱穴と大規模な溝より主に弥生土器片が多量に出土しました。 〔まとめ〕　今回の調査により土居窪遺跡周辺には弥生時代～古代にかけての集落関連遺構が存在する事が明らかとなりました。特に今回は弥生時代中期から後期の集落関連施設の検出とB区における大溝の検出および多量遺物の出土したことは、今まで周辺地域では調査事例の少ないことからも、貴重な調査事例となり、土居窪周辺における弥生時代の集落様相を解明する資料を得ることができたことは、大きな成果といえます。

写真

１区完掘状況 溝遺物出土状況

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