古照遺跡

えひめけんまつやましみなみえど
愛媛県松山市南江戸

 中央浄化センターの建設中に発見された古墳時代前期の灌漑用の堰で、1973~1975年に発掘調査を実施しました。

 堰は地下約3mの地点から3基見つかり、全長は第一堰13.2m、第二堰23.8m、第三堰20mで、合計約1,600本に及ぶ杭や横材で築かれていました。堰は、まず川床に上流へ向けて斜材を打ち込み、次に斜材の上に横材を置き、続いて縦材を打ち込み、最後に木のツルで縛って固定します。隙間にはオギや粘土塊・礫などを敷き詰めたものを1~3段積んだ合掌形堰と呼ばれる構築方法でした。

 古照遺跡の堰は、稲作経営の拡大に大きな力を発揮したに違いありません。西日本の古墳時代の遺跡で、古照の灌漑用堰に匹敵する堰は少なく、全国的にも大変貴重な資料になっています。