松山駅周辺土地区画整理事業に伴う事前の発掘調査です。調査地は、松山平野西部に位置し、石手川や宮前川などによって形成された扇状地の扇央付近、標高14.5~14.7mに立地しています。調査地の北西300mには辻町遺跡があり、古墳時代の竪穴建物や祭祀遺構のほか、中世の掘立柱建物、井戸、土坑墓などが見つかっています。また、西方には古照遺跡、松環古照遺跡などがあり、古代から中世に至る集落関連遺構が数多く検出されています。さらには、調査地の西約600mにある大峰ケ台丘陵には弥生時代の集落のほか、古墳時代前期の朝日谷古墳をはじめ客谷古墳、大池東古墳など数多くの古墳が分布しています。
事前に実施された試掘調査の結果、中世から近世にかけての土坑状遺構と柱穴を検出し、13世紀~14世紀の土師器、須恵器、江戸時代後期~末の陶磁器片や瓦片が出土しました。これらのことから、中世から近世にかけての遺跡が広がることが想定されます。 |