令和5年度職員(学芸員)採用試験を実施します(~5月12日まで)

投稿者| hajiki in お知らせ, その他 | 令和5年度職員(学芸員)採用試験を実施します(~5月12日まで) はコメントを受け付けていません

公益財団法人松山市文化・スポーツ振興財団では、令和5年度職員(学芸員)の採用試験を実施します。

試験区分 採用予定人数  勤務場所等
技術職(学芸員) P 1人程度 主として松山市立埋蔵文化財センター(松山市考古館)に配属され、埋蔵文化財の発掘・保存・調査研究及び文化財保護の業務に従事する

 

★第1次試験日
 テストセンター       令和5年5月22日(月)~6月4日(日)
 ペーパーテスティング    令和5年6月4日(日)
 (テストセンターとペーパーテスティングのいずれかを選択できます。)

★申込受付期間
 令和5年4月14日(金)~5月12日(金)(消印有効) 
(月曜日を除く午前8時30分から午後5時15分まで)

★実施要領や申込方法は、ホームページからダウンロードできますので、是非ご覧ください。

令和5年度職員(学芸員)採用試験の実施について

埋蔵文化財センターの仕事について[銭貨の保存処理(後編)]

投稿者| doguu in 出土物整理 | 埋蔵文化財センターの仕事について[銭貨の保存処理(後編)] はコメントを受け付けていません

金属製品を保存処理する工程のなかで、前編でお話しした「クリーニング作業」は、保存処理作業全工程中の7~8割の時間を費やします。
このクリーニング作業が終わると、次は専用の薬品や装置を使って銭貨の「安定化処理」、「樹脂含浸」の処置を行います。

 

銭貨(銅製品)は、錆を安定化させるため「安定化処理」をおこないます。
安定化処理に使う薬品がベンゾトリアゾールアルコール溶液になります(写真の左 ベンゾトリアゾール・写真の右 メチルアルコール)。
※写真は濃度3%の溶液を作っている様子です。

 

 

溶液に銭貨を入れ、減圧装置(デシケーター)を使って減圧下(真空に近い状態)で漬け込みます。

 

漬け込みが終わり自然乾燥します。
順番を間違えないようキチンと並べています。

 

乾燥が終わって樹脂含浸作業に移ります。
樹脂含浸にはアクリル樹脂(写真の左)をアセトン(写真の右)で溶かした溶液を使います。濃度は3%です。
樹脂含浸も安定化処理に使った減圧装置を使います。※減圧することで、錆の進行でできた小さな穴やクラック(ひび割れ)の奥の方まで樹脂を浸透させることができ、銭貨の本体が強化できます。

 

樹脂含浸後は自然乾燥を行い、重量計測を一週間行います。
重量を測ることで、溶剤が抜けて樹脂で硬化されたことがわかります。

 

重量計測は小数点以下3ケタが測れる精密な秤(はかり)を使います。

 

一週間、自然乾燥させた後、乾燥機に入れて強制乾燥させます。また一週間毎日重量計測を行います。※強制乾燥することで、小さな穴、クラックの奥に染み込んだ溶剤を乾燥させます。
樹脂含浸、自然乾燥重量計測、強制乾燥重量計測の3工程を1セットとし、この作業は通常3回行います(錆の進行状況により2回の場合もあります)。

 

樹脂含浸、重量計測作業が終了すると保存処理後の写真撮りの準備(仕上げ作業)をします。この作業も顕微鏡を使って、銭貨の表面の仕上がり具合や綿埃の除去を行います。

 

保存処理後の写真撮りを行います。
最終写真撮りは当センターのスタジオにお願いしました。
写真は銭貨1枚ずつの表裏581枚。カット数では約1170カットになりました。

保存処理後の写真撮りが終了し、保存処理記録(報告書)を仕上げることで保存処理は終了となります。

581枚を並べて撮影してみました。(撮影場所:埋蔵文化財センター内スタジオ 撮影者:大西)

展示会「いにしへのえひめ2022」開催中です

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松山市埋蔵文化財センター(松山市考古館)では、(公財)愛媛県埋蔵文化財センターが昨年度に愛媛県内(松山市を除く)で発掘調査を実施した遺跡や調査報告書を刊行した遺跡について紹介する展示会「いにしへのえひめ2022」を開催しています。

桜井遺跡 円形周溝出土の弥生土器

桜井遺跡(西条市)の円形周溝状遺構より出土した弥生時代の壺形土器、

北竹ノ下2遺跡出土の土器棺

同じく西条市の北竹ノ下2遺跡で見つかった弥生時代後期の土器棺墓や、

北竹ノ下2遺跡(西条市)出土の縄文土器

縄文時代早期の押型文土器、今治市の別名藪下遺跡で出土した中世の土師質土器や銅銭、などを展示・紹介しています。

11月6日(日)まで松山市考古館の特別展示室で開催中(無料)です。是非ともご覧ください。

また、10月8日(土)13:30から15:30には、伊予史談会会長の山内 譲先生による講演会「文献からみた中世の今治平野について」を予定しておりますので、是非ご参加ください(※事前申し込みが必要)。

 

 

 

事務職・技術職(学芸員)・事務職(実務経験者)を募集しています

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公益財団法人松山市文化・スポーツ振興財団では、職員採用試験の実施を予定しています。
※今回も技術職(学芸員)の募集がありますので、是非ご検討ください。

 

試験区分 採用予定人数  勤務場所等
事務職 P 1人程度 本財団が管理運営する松山市の公共施設等(松山市総合コミュニティセンター等)に配属され、施設等の管理運営及び文化・スポーツ振興に関する事業の企画・運営等に従事する。
技術職(学芸員) R 1人程度 主として松山市立埋蔵文化財センター(松山市考古館)に配属され、埋蔵文化財の発掘・保存・調査研究及び文化財保護の業務に従事する
事務職(実務経験者) 1人程度 本財団が管理運営する松山市の公共施設等(松山市総合コミュニティセンター等)に配属され、施設等の管理運営及び文化・スポーツ振興に関する事業の企画・運営等に従事する。

 

★事務職・技術職(学芸員)には基礎能力試験(SPI3)を導入!
民間企業を視野に入れて就職活動している方や転職を考えている方も受験しやすくなりました。

★事務職(実務経験者)は人物重視の採用試験により、即戦力となる人材を募集します。

申込受付期間

 令和4年7月27日(水)~8月12日(金)(消印有効) ※受付時間は、午前8時30分から午後5時15分までです。

第1次試験日時

 令和4年9月18日(日)午前8時50分~

★実施要領や申込方法は、ホームページからダウンロードできますので、是非ご覧ください。

https://www.cul-spo.or.jp/zaidan_news/ziishiyouryou-r4/

展示会「掘ったぞな松山2022」開催中です

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松山市埋蔵文化財センター(松山市考古館)では、昨年度に松山市内で発掘調査を実施した遺跡や調査報告書を刊行した遺跡について紹介する展示会「掘ったぞな松山2022」を開催しています。

祝谷アイリ遺跡2次調査、清水町遺跡3次調査出土品

祝谷アイリ遺跡2次調査や清水町遺跡3次調査で見つかった弥生時代の土器や石器、分銅形(ふんどうがた)土製品、

若草町遺跡3次調査出土品

若草町遺跡3次調査で見つかった弥生時代終末~古墳時代初頭ころのお墓におそなえされていたと考えられる二重口縁壺や手焙形(てあぶりがた)土器、

史跡松山城跡出土品

史跡松山城跡の整備に伴う確認調査の際に出土した江戸時代の陶磁器や瓦などを展示・紹介しています。
また、(公財)愛媛県埋蔵文化財センターが発掘調査を実施した辻町遺跡4次調査の出土品も展示しております。

8月28日(日)まで松山市考古館の特別展示室で開催中(無料)です。

是非ともご覧ください。

 

 

発掘情報展 松山城三之丸跡24次・25次調査

投稿者| hajiki in 展示会, 発掘情報展, 発掘調査・試掘調査, 遺跡紹介 | 発掘情報展 松山城三之丸跡24次・25次調査 はコメントを受け付けていません

今回の発掘情報展は、昨年度調査した松山城三之丸跡24次・25次調査です。調査した場所は、堀之内の北側です。まだ整備がされていなくて、皆さんは立ち入りができないところになります。

展示の様子(全体)

パネルには、高いところから撮った写真を掲載しています。ドローンではなく、スタジオのカメラマンが高所作業車を使って撮影したものになります。迫力がありますよ。

展示の様子(パネル)

続いて、出土した遺物です。
江戸時代に武家が使っていたものです。
向付(むこうづけ)って何でしょうか?
ご飯やお汁の奥、すなわち向こうに置く料理を入れた器です。お刺身や酢の物などをいれていました。

徳利(とっくり)や行平鍋(ゆきひらなべ)の蓋(ふた)も出土しました。これらの遺物を見ると、武家の生活が身近に感じられませんか。

出土した陶磁器は、肥前(佐賀県)のものが多かったです。唐津焼などです。松山の西にある松前(まさき)町では、明治に五十集(いさば)船で陶磁器を出荷していました。積み荷は砥部焼が主だったのですが、いさば船は「からつ船」とも呼ばれていました。陶磁器を「からつ」と呼んでいたのですね。唐津と松山が、昔からつながっていたからかも知れません。

展示の様子(陶磁器)

焼き物の白色の碁石が出土しました。実は、大型のハマグリを利用してつくられる白色の碁石はとても高価なのだそうです。
・・・ですので、その代用品として焼き物でつくったのかも知れませんね。

展示の様子(碁石)

軒丸瓦が出土しました。蒲生家の左巻三巴文と久松家の星梅鉢文です。

展示の様子(軒丸瓦)

松山城の歴代城主の家紋は、四つの種類が知られています。

歴代藩主の家紋

左巻三巴文、徳川葵、星梅鉢文は、松山城内や周辺の神社で見ることができます。松山城内では、左巻きと右巻三巴文が見られます。風水を考慮したためだそうです。徳川葵もあります。伊佐爾波神社では左巻と右巻が並んでいるところもあります。家紋を追いかけてゆくと、いろいろなことがわかります。

松山城内 松山城天守

 

松山城天守 松山城内(天神櫓)

 

東雲神社 伊佐爾波神社

松山城に登ったり、考古館の展示をみたりと、松山の一日をゆっくりと満喫してみてはいかがでしょうか?

ミニ展示はじめました【発掘情報展】

投稿者| hajiki in その他, 出土物整理, 報告書作成, 展示会, 発掘情報展, 発掘調査・試掘調査, 遺跡紹介 | ミニ展示はじめました【発掘情報展】 はコメントを受け付けていません

立春を過ぎても寒い日が続いていましたが、近ごろやっと、春を感じるようになりました。
さて3月になり、考古館ロビーも展示を一部新しくしました。発掘情報展のお知らせです。

去年夏の暑いさなかに調査した、祝谷アイリ遺跡の資料を展示しています。

展示のようす

この遺跡からは、今から2,200 ~ 2,000 年前の弥生土器や、分銅形土製品が出土しました。
分銅形土製品には、ふんどう君でおなじみのにっこりな笑顔はなく、どことなくミステリアスな雰囲気を漂わせています。

分銅形土製品

そして今回の目玉は、方眼紙に描かれたこの図面。出土した土器と並べて、これを図面に起こした「実測図」を展示しています。

出土した土器と実測図

土器を正面から見た状態と断面の形状を、細かく計測、図化し、これに観察所見を書き込んでいます。

みなさんにお見せする機会のめったない実測図。実物とともに、弥生人の土器作りの技術と現代人の図面描きの技術を、ぜひ見比べてください。

 

 

埋蔵文化財センターの仕事について【写真の撮影2】

投稿者| hajiki in その他, 出土物整理, 報告書作成 | 埋蔵文化財センターの仕事について【写真の撮影2】 はコメントを受け付けていません

こんにちは、スタジオです。

2021年8月のブログ[銭貨の保存処理(前編)]で紹介された、「銭貨」が写真撮影のためにやってきました。

その数559枚! 裏面にも大事な情報があるので、すべて表と裏の写真が必要です。

おもて面        うら面

文字・鋳型のズレ・劣化の具合などを確認しやすいよう、普段使う大型ストロボではなく、写真用電球を使うことにしました。

ちょっと光を柔らかくして、余分な光を防いで、セットを組みました。

光を調整している様子

間違えないように1枚ずつ撮ります。フイルムだと(もったいないので)2~3枚は一度に撮るところでしたが、デジタルカメラになって大量のカットを気軽に撮影できるようになりました。

真上からの撮影に頼れる相棒は、写真スタンド。安定感が三脚とはだんちがいです。

ライブビューで拡大してピントを確認。ブレないようにレリーズを使って、シャッターを切ります。

撮影の様子

撮影画像を確認・・。現像処理して・・・名前を付けて保存。
同じような銭貨がたくさんあるので、気を抜けません。

パソコンで現像処理をしている様子

 

クリーニング前        クリーニング後

洗浄・クリーニングを終えた銭貨・・・見違えますね!
これも「開元通宝」だとわかりました。 

次は保存処理後の撮影が待っています。(^^;)

埋蔵文化財センターの仕事について【調査の成果を残す】

投稿者| hajiki in その他, 出土物整理, 報告書作成 | 埋蔵文化財センターの仕事について【調査の成果を残す】 はコメントを受け付けていません

発掘調査の成果を文書で残すことも、埋蔵文化財センターの大事な仕事です。
埋め戻してしまうと、発掘現場の様子は2度と見ることができないので、その記録を活字と挿図で後世に残します。

その成果品のうち、速報版を「概要報告書(概報)」、決定版を「調査報告書」と言います。
今年度は3遺跡の「概報」、そして8遺跡の「報告書」を作成しました。一部は現在、刊行に向けた作業の真っ最中です。

方眼紙に記録された遺跡の図面

発掘調査では住居などの遺構を方眼紙に記録しますが、調査区の面積が大きければ大きいほど、膨大な数の図面が出来上がります。これらを整理・統合して、デジタル(パソコン)上で製図し、DTP(卓上出版)ソフトを使って、これまたデジタル上で本の体裁を整えていきます。

DTPソフトを使った編集作業

ここには6月、11月のブログで取り上げた土器の実測図のトレースデータや、7月にご紹介した遺物の写真もレイアウトします
見やすい、わかりやすい図版の作り方には、経験に裏打ちされた熟練の技と、なによりもセンスが求められます。

最終の段階では、これまでのデジタルから一転して、アナログな作業になります。
校正といって、紙に出力された文字、図版に誤りがないかどうかを繰り返しチェックします。
何度見ても誤字脱字は見つかるものですが、完全を目指して作業は続きます。

根気の要る校正作業

完成した「調査報告書」は、松山市考古館のロビーや図書館、またPDFファイルであれば奈良文化財研究所のホームページでもご覧いただくことができます。埋蔵文化財センターの仕事の成果を、ぜひご覧ください。

 

 

埋蔵文化財センターの仕事について【土器の復元2】

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 こんにちは。復元室です。

 前回のブログ(2021年5月12日)で、小さな土器の破片から土器を復元するようすを紹介しておりましたが、その後、紹介した破片から土器が1点復元できましたのでお知らせします。
 約1500年前に作られた古墳時代の須恵器・甕(かめ)で、上(口縁部)から下(底部)までほぼすべての破片がそろっていました(高さ49cm、口径25.6cm)。
 ひずみが生じないように、すき間なく接合するのがとても難しかったです。

平面展開
接合できる破片を机の上に並べます          
立体復元
接着しながら立体的に組み上げます 

 今回は、平面展開が5日間、立体復元が2日間、計7日間で完成させることができました。

 通常、遺跡から見つかった土器は、すべての破片がそろっていることはほとんどありません。したがって、破片がない部分は穴があいた状態になりますので、松山市では復元するときに、加工しやすく補強にもなる「石こう」を使っています。

 松山市では、この「石こう」を復元だけではなく、「ふんどう君ペンダント」に変身させる仕事もしています。
 ペンダントの完成までには、たくさんの作業工程があり、時間をかけてコツコツ作っています。

お絵かきができるよ!!
『ふんどう君ペンダント』

松山市考古館の受付で販売(1個100円)しています。

 ペンダントは、児童クラブなどで実施している「出前考古学教室」で人気があります。
 みなさん、笑顔で思い思いの絵をかいてくださいます。
 それを見て私たちもうれしくなり、ペンダント作りのはげみにもなっています!(^^)!