埋蔵文化財センターの仕事について【土器のトレース】

投稿者| hajiki in その他, 出土物整理, 報告書作成 | 埋蔵文化財センターの仕事について【土器のトレース】 はコメントを受け付けていません

 こんにちは。
 実は、考古館から少し西に上がった所にある文化財情報館でも、遺跡の記録保存作業をしています。
 今回は情報館より、土器の「トレース」について紹介したいと思います。

 土器などを実測した後に、原図を書き写す「トレース」という作業をします。遺跡で見つかった遺構や土器などを年報や報告書などに掲載するための作業です。

 12~13年前ころまでは、原図にトレーシング専用の用紙を貼りトレース専用のペン(ロットリング等)で書き写していました。

 トレース作業は、遺物などの状態を分かりやすく表現するために、線を描く箇所によって、例えば断面は0.3 ミリ、側面は0.2ミリ・・など、ペン先の太さを替えて作業をします。とても繊細な作業で、長い線を描く時は手先が震えない様にしばらく息を止めてすることもありました(>_<)。

   トレース専用ペン(ロットリング)               手描きトレースの様子 

 現在では、時代の進化と共にトレース作業がデジタル化され、細かく表現したい場所を画面上で拡大して作業することができたり、間違えてしまった線の修正が簡単にできたり、線の太さを簡単に変更できたりと作業効率が上がったほか・・、とても老眼には優しくなりました(^^♪。

デジタルトレースの様子 情報館の正面玄関

 考古館は11月末まで改修工事のため閉館してますが、情報館は開館していますので是非この機会に遺物の展示を見に来てください。お待ちしております。

 

 

埋蔵文化財センターの仕事について【試掘調査】

投稿者| hajiki in その他, 出土物整理, 報告書作成 | 埋蔵文化財センターの仕事について【試掘調査】 はコメントを受け付けていません

『試掘調査について』

 試掘調査は、埋蔵文化財包蔵地というエリア内で、開発が行われる予定地に遺跡があるかどうか調べ、遺跡がある場合はその範囲や性格(時代・遺跡の種類)を明らかにするものです。

 ここでは、試掘調査の工程(ながれ)について紹介します。

 ①トレンチ(調査する範囲)を設定し、重機で掘り下げます。
 ②掘り下げが終了すると、壁面と平面を精査(掃除も)します。
 ③対象地内やトレンチ内を測量した後、写真を撮影します。また、遺構や遺物がみつかった時も写真撮影をします。
 ④調査が終了すると重機でトレンチを埋め戻し、最終確認をして試掘調査を終了します。

重機で掘り下げている様子           遺跡がみつかった様子

 

壁面の土層を調べている様子 埋め戻している様子

 もしかしたら、松山市内のどこかで試掘をしている私たちの姿を見かけるかもしれません。
 重機が動いていたり、深い穴があいていたり・・と非常に危険ですので、関係者以外の立ち入りはご遠慮くださいませ。
 ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

埋蔵文化財センターの仕事について[展示会の準備]

投稿者| doguu in 出土物整理 | 埋蔵文化財センターの仕事について[展示会の準備] はコメントを受け付けていません

埋蔵文化財センターに附属する松山市考古館では、年に5回ほど展示会を開催しています。
今回は、その準備の様子を紹介します。

まずは、
テーマを決めて、展示する遺物や写真などをピックアップ。

たくさんある遺物の中から選ぶのは大変!
とっても時間がかかります。

展示品が決まったら、
遺跡や遺物の説明文を書き、複数の人でチェックします。
OKが出たらパネルに貼ります。

 

空気が入らないように…
慎重に…

収蔵庫から展示室に、遺物や写真を運び入れます。

 

どこに置いたら伝わるかな…
様々なことを考えながら置いていきます。

壁には、発掘時の写真がたくさん。

 

写真の下に説明パネルを貼ります。
まっすぐかな?水平かな?

 

ばっちりです。

展示室の設営は約5日間で完了です。

 

伝えたいことが伝わるかなぁ。

現在、考古館は長寿命化のための大規模改修工事に伴い11月30日まで閉館中です。
12月から、きれいになった考古館に ぜひお越しください。
(次の展示会は『いにしへのえひめ』の予定です)

 

埋蔵文化財センターの仕事について[銭貨の保存処理(前編)]

投稿者| doguu in 出土物整理 | 埋蔵文化財センターの仕事について[銭貨の保存処理(前編)] はコメントを受け付けていません

 金属製品、木製品、動植物遺骸体(いがいたい)など、発掘調査で出土したままの状態で保管すると、近い将来には変形してしまい形が無くなってしまう遺物を、できる限り出土した状態の形を保つために行う処置を保存処理といいます。

 この処置を行う専門部署が保存処理室になります。今回は、出土した銭貨の保存処理を紹介します。

 現場で出土した銭貨は、処理室へ持ち込まれます。まず、現状の写真を撮り(写真1)、銭貨の状態(錆の進み具合、ヒビ割れの有無など)をチェックします。

写真1 撮影風景

 次に、付着している土やゴミなどを、水やアルコールで洗浄します(写真2)。

写真2 洗浄作業

 洗浄し乾燥した後に、洗浄で取り除けなかった土、ゴミ、錆(さび)ぶくれなどを顕微鏡で観察しながら慎重に除去していきます(写真3)。

写真3 クリーニング作業

 綺麗になり銭名の漢字が読めるようになれば、書籍資料など(写真4・5)の拓本と照合して、作られた時代などを判読し記録します(写真6)。

写真4 参考文献

写真5 銭名と拓本

写真6 照合作業

 その後は、銭貨の錆が進行しないような処置や、本体の補強及び酸素から遮断する樹脂含浸処置を行います。これは後編にて紹介します。

 

埋蔵文化財センターの仕事について【写真の撮影】

投稿者| hajiki in その他, 出土物整理, 報告書作成 | 埋蔵文化財センターの仕事について【写真の撮影】 はコメントを受け付けていません

 こんにちは、スタジオです。

 今回は、遺跡から出土した土器などを写真で記録する仕事についてご紹介します。

 調査で出てきた遺物は、洗浄・復元の後、図面や写真、文章などでしっかり記録します。時には消失することもある物の姿を、全てとはいえないにしろ「記録保存」します。その情報は、実物に代わっていつでもどこにでも伝えられますが、写真は、撮り方・掲載の仕方によってずいぶん印象が違ってきます。

写真1

 「写真1」は、束本遺跡4次調査の発掘調査報告書で撮影・使用したものです。
 遺物の形や色がよくわかるように、ガラスの上に載せて影を出さないよう撮影しています。

写真2

 「写真2」は、写真1の下段左から2番目の石器です。
 昨年出版された、埋文センター30周年記念誌『発掘 松山の至宝』用に改めて撮影しました。
 全長8㎝の小さな物の存在感を出すために、硬めの光で加工痕を強調し、あえて立たせて影を出しています。

 この石器の写真は、狩りの道具の代表として丸々1ページを飾ることになりました。
 地味で小さな遺物なので、もう少し見栄えを良くするために背景を工夫して、本に採用したのが「写真3」です。

写真3

 遺物を引き立たせるためと本全体のバランスを考えて、派手な色の背景は使いません。

 

 遺物写真の基本は、形や色や作り方などをなるべく客観的に表すことですが、使用目的によっては優先させる要素が変わってきます。難しいこともありますが、ライトを当てた遺物が想定以上の姿を見せてくれるときは、嬉しいものです。

 

 

埋蔵文化財センターの仕事について【土器の実測】

投稿者| hajiki in その他, 出土物整理, 報告書作成 | 埋蔵文化財センターの仕事について【土器の実測】 はコメントを受け付けていません

前回お伝えした接合作業に続いて、今回は、遺跡から出土した土器などを図面にし、記録する仕事についてご紹介します。

この作業のことを「実測(じっそく)」といいます。

土器についての情報を分かりやすく、客観的に伝えるため、図面にするのです。

実測では、真正面から見た形を図面におこし、左半分に立面(正面から見た状況)を、右半分に断面と内面の状況を書きます。

   図面にする実物の土器               実測した図面  

 

具体的には、全体の形を描き、断面の厚みを計測し、土器の表面(外面と内面)に残る文様、作り方、使われ方などの痕跡を見つけ、図面に書き加えていきます。
土器をぺたぺた触って、昔の人がどんなふうに作ったのかを想像しながら。。。

  土器を実測している様子(その1)   土器を実測している様子(その2)

気が遠くなるような作業です・・・

日本ではおよそ90年前からこの方法で、手作業で実測をしています。

最近では3次元のレーザー計測機が使われたりもするそうですが、埋文センターでは、昔ながらの手法でがんばっています。

 

埋蔵文化財センターの仕事について【土器の復元】

投稿者| hajiki in お知らせ, 出土物整理, 報告書作成 | コメントを残す

こんにちは。復元室です。

 私たちの部屋には、松山市内で発掘された土器が(ほとんどがバラバラに割れた状態)で運ばれてきます。

 その一つひとつを元の状態に復元していきます。

 接合できるものを探しだして・・・

このような状態になるまで頑張ります。

 完成したらこのブログでお知らせしたいと思います。

 小さな土器の破片を元の形に戻すのはとても大変な作業ですが、やりがいのあるとても楽しい仕事です。

埋蔵文化財センターの仕事について

投稿者| hajiki in お知らせ, その他, 出土物整理, 報告書作成 | コメントを残す

 これから数回に分けて、松山市埋蔵文化財センターで行っている仕事について、少しずつご紹介したいと思います。

 屋外の「発掘調査」について注目されることが多いのですが、埋蔵文化財センターでは「発掘調査」以外にも、遺跡から見つかった土器や石器など遺物の接合復元や実測(図化)・写真撮影・パソコンを使用した製図・本の作成・保存処理・展示会の開催・試掘調査など、皆で協力しながら様々な仕事を行っています。

 次回からは、実際にその仕事を行っている担当者目線で仕事の内容や魅力などについて紹介します。1回目は今月下旬に掲載予定ですので、しばらくお待ちくださいませ。

松山城三之丸跡23次調査の成果

投稿者| hajiki in 現地説明会, 発掘調査・試掘調査, 遺跡紹介 | コメントを残す

 昨年度調査(22次調査)の東、園路を挟んだ地点を調査した結果、三之丸北御門の東袖を構成する石垣を計4基、新たに検出しました。門の礎石を確認することはできませんでしたが、門と北土塁が接する4か所のうち3か所の位置を特定することができました。北御門は三之丸御殿に隣接することから、松山城の正門にふさわしい立派な門であったとみられます。

石垣4全景(北北西より)

『発掘松山の至宝』が刊行されました。

投稿者| hajiki in 発掘調査・試掘調査 | コメントを残す

 松山市立埋蔵文化財センター・松山市考古館は平成元年のオープン以来、これまでに約600ヶ所の遺跡を発掘調査し、旧石器時代から近代に至る松山の歴史が次々と明らかになってきました。
 その中でも、地中に眠る貴重な遺物に焦点を当て、モノに込められた古代人の思いや、そこに生きる人々の息吹を感じていただきたく、『発掘・松山の至宝』を発行しました。

第1章 遺跡から知る松山の歴史では、考古館の常設展示室から、時代ごとに松山の歴史を解説しています。
第2章 松山に眠る「至宝」では、松山を代表する考古資料(モノ)を「至宝」として解説しています。
第3章 テーマで見る松山では、松山の考古資料(モノ)を様々なテーマで解説しています。