公益財団法人 松山市文化・スポーツ振興財団

試掘調査について

埋蔵文化財センターでは、松山市教育委員会文化財課の委託を受け、松山市内の試掘調査を行っています。
このページでは試掘調査の様子をご紹介します。
試掘調査の詳しい事や手続きについては「松山市教育委員会文化財課」へお問い合わせ願います。

試掘調査

埋蔵文化財センターでは、松山市教育委員会文化財課から毎回試掘調査の依頼を書類と共に受け、調査のスケジュールを依頼者の方と協議します。
同時に調査予定地の履歴や周りの遺跡状況をあらかじめ調べた上で現地に臨むようにしています。

遺跡の発掘調査は、ほとんどの場合は事前にこのような試掘調査を行って、遺跡があることがわかったのちに実施されることになります。この試掘調査とは、読んで字のごとく、“ためしに土地を掘って、古代人が生活した痕跡などがないかどうか調べること”です。

試掘調査 重機で地面を掘っていきます

重機で地面を掘っていきます

まず、重機(ショベルカー)を使って地面を掘っていきます。この時に大事なのが、地面と水平に少しずつ丁寧に地層を1枚1枚はがしていくことです。担当者は、地層の色や質(粘土質・砂質など)の違いなどを慎重にチェックし、その途中で土器などが出てこないか、また住まいの跡などが見つからないか、目を光らせています。

慎重に掘り下げる

慎重に掘り下げる

この例の試掘調査では、深さ1mくらい掘ったところで、なんと今から450年ぐらい前の土器が出てきました。土器が出てくるということは、その地層に古代人が生活していた痕跡が残っている可能性があるということです。

掘り下げたところから土器が。

掘り下げたところから土器が。

 試掘調査は、一時的な調査ですので、写真や図面などの作業が終了すれば、すぐに埋め戻さなければなりません。そして埋蔵文化財センターにカメラや図面などを持ち帰り、松山市教育委員会へ報告するための報告書作りにとりかかります。また、当日記録した遺跡の情報をパソコンでデータ入力し、近隣で同様の試掘調査が行われる時の参考資料にします。

測量作業

測量作業

このように試掘調査とは、松山市内のあちこちで地面を掘り、古代人が生活した痕跡の情報を集める作業なのです。