埋蔵文化財センターの仕事について【調査の成果を残す】

投稿者: hajiki in その他, 出土物整理, 報告書作成 | 埋蔵文化財センターの仕事について【調査の成果を残す】 はコメントを受け付けていません

発掘調査の成果を文書で残すことも、埋蔵文化財センターの大事な仕事です。
埋め戻してしまうと、発掘現場の様子は2度と見ることができないので、その記録を活字と挿図で後世に残します。

その成果品のうち、速報版を「概要報告書(概報)」、決定版を「調査報告書」と言います。
今年度は3遺跡の「概報」、そして8遺跡の「報告書」を作成しました。一部は現在、刊行に向けた作業の真っ最中です。

方眼紙に記録された遺跡の図面

発掘調査では住居などの遺構を方眼紙に記録しますが、調査区の面積が大きければ大きいほど、膨大な数の図面が出来上がります。これらを整理・統合して、デジタル(パソコン)上で製図し、DTP(卓上出版)ソフトを使って、これまたデジタル上で本の体裁を整えていきます。

DTPソフトを使った編集作業

ここには6月、11月のブログで取り上げた土器の実測図のトレースデータや、7月にご紹介した遺物の写真もレイアウトします
見やすい、わかりやすい図版の作り方には、経験に裏打ちされた熟練の技と、なによりもセンスが求められます。

最終の段階では、これまでのデジタルから一転して、アナログな作業になります。
校正といって、紙に出力された文字、図版に誤りがないかどうかを繰り返しチェックします。
何度見ても誤字脱字は見つかるものですが、完全を目指して作業は続きます。

根気の要る校正作業

完成した「調査報告書」は、松山市考古館のロビーや図書館、またPDFファイルであれば奈良文化財研究所のホームページでもご覧いただくことができます。埋蔵文化財センターの仕事の成果を、ぜひご覧ください。

 

 

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