事務職・技術職(学芸員)・事務職(実務経験者)を募集しています

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公益財団法人松山市文化・スポーツ振興財団では、職員採用試験の実施を予定しています。
※今回も技術職(学芸員)の募集がありますので、是非ご検討ください。

 

試験区分 採用予定人数  勤務場所等
事務職 P 1人程度 本財団が管理運営する松山市の公共施設等(松山市総合コミュニティセンター等)に配属され、施設等の管理運営及び文化・スポーツ振興に関する事業の企画・運営等に従事する。
技術職(学芸員) R 1人程度 主として松山市立埋蔵文化財センター(松山市考古館)に配属され、埋蔵文化財の発掘・保存・調査研究及び文化財保護の業務に従事する
事務職(実務経験者) 1人程度 本財団が管理運営する松山市の公共施設等(松山市総合コミュニティセンター等)に配属され、施設等の管理運営及び文化・スポーツ振興に関する事業の企画・運営等に従事する。

 

★事務職・技術職(学芸員)には基礎能力試験(SPI3)を導入!
民間企業を視野に入れて就職活動している方や転職を考えている方も受験しやすくなりました。

★事務職(実務経験者)は人物重視の採用試験により、即戦力となる人材を募集します。

申込受付期間

 令和4年7月27日(水)~8月12日(金)(消印有効) ※受付時間は、午前8時30分から午後5時15分までです。

第1次試験日時

 令和4年9月18日(日)午前8時50分~

★実施要領や申込方法は、ホームページからダウンロードできますので、是非ご覧ください。

https://www.cul-spo.or.jp/zaidan_news/ziishiyouryou-r4/

展示会「掘ったぞな松山2022」開催中です

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松山市埋蔵文化財センター(松山市考古館)では、昨年度に松山市内で発掘調査を実施した遺跡や調査報告書を刊行した遺跡について紹介する展示会「掘ったぞな松山2022」を開催しています。

祝谷アイリ遺跡2次調査、清水町遺跡3次調査出土品

祝谷アイリ遺跡2次調査や清水町遺跡3次調査で見つかった弥生時代の土器や石器、分銅形(ふんどうがた)土製品、

若草町遺跡3次調査出土品

若草町遺跡3次調査で見つかった弥生時代終末~古墳時代初頭ころのお墓におそなえされていたと考えられる二重口縁壺や手焙形(てあぶりがた)土器、

史跡松山城跡出土品

史跡松山城跡の整備に伴う確認調査の際に出土した江戸時代の陶磁器や瓦などを展示・紹介しています。
また、(公財)愛媛県埋蔵文化財センターが発掘調査を実施した辻町遺跡4次調査の出土品も展示しております。

8月28日(日)まで松山市考古館の特別展示室で開催中(無料)です。

是非ともご覧ください。

 

 

発掘情報展 松山城三之丸跡24次・25次調査

投稿者| hajiki in 展示会, 発掘情報展, 発掘調査・試掘調査, 遺跡紹介 | 発掘情報展 松山城三之丸跡24次・25次調査 はコメントを受け付けていません

今回の発掘情報展は、昨年度調査した松山城三之丸跡24次・25次調査です。調査した場所は、堀之内の北側です。まだ整備がされていなくて、皆さんは立ち入りができないところになります。

展示の様子(全体)

パネルには、高いところから撮った写真を掲載しています。ドローンではなく、スタジオのカメラマンが高所作業車を使って撮影したものになります。迫力がありますよ。

展示の様子(パネル)

続いて、出土した遺物です。
江戸時代に武家が使っていたものです。
向付(むこうづけ)って何でしょうか?
ご飯やお汁の奥、すなわち向こうに置く料理を入れた器です。お刺身や酢の物などをいれていました。

徳利(とっくり)や行平鍋(ゆきひらなべ)の蓋(ふた)も出土しました。これらの遺物を見ると、武家の生活が身近に感じられませんか。

出土した陶磁器は、肥前(佐賀県)のものが多かったです。唐津焼などです。松山の西にある松前(まさき)町では、明治に五十集(いさば)船で陶磁器を出荷していました。積み荷は砥部焼が主だったのですが、いさば船は「からつ船」とも呼ばれていました。陶磁器を「からつ」と呼んでいたのですね。唐津と松山が、昔からつながっていたからかも知れません。

展示の様子(陶磁器)

焼き物の白色の碁石が出土しました。実は、大型のハマグリを利用してつくられる白色の碁石はとても高価なのだそうです。
・・・ですので、その代用品として焼き物でつくったのかも知れませんね。

展示の様子(碁石)

軒丸瓦が出土しました。蒲生家の左巻三巴文と久松家の星梅鉢文です。

展示の様子(軒丸瓦)

松山城の歴代城主の家紋は、四つの種類が知られています。

歴代藩主の家紋

左巻三巴文、徳川葵、星梅鉢文は、松山城内や周辺の神社で見ることができます。松山城内では、左巻きと右巻三巴文が見られます。風水を考慮したためだそうです。徳川葵もあります。伊佐爾波神社では左巻と右巻が並んでいるところもあります。家紋を追いかけてゆくと、いろいろなことがわかります。

松山城内 松山城天守

 

松山城天守 松山城内(天神櫓)

 

東雲神社 伊佐爾波神社

松山城に登ったり、考古館の展示をみたりと、松山の一日をゆっくりと満喫してみてはいかがでしょうか?

ミニ展示はじめました【発掘情報展】

投稿者| hajiki in その他, 出土物整理, 報告書作成, 展示会, 発掘情報展, 発掘調査・試掘調査, 遺跡紹介 | ミニ展示はじめました【発掘情報展】 はコメントを受け付けていません

立春を過ぎても寒い日が続いていましたが、近ごろやっと、春を感じるようになりました。
さて3月になり、考古館ロビーも展示を一部新しくしました。発掘情報展のお知らせです。

去年夏の暑いさなかに調査した、祝谷アイリ遺跡の資料を展示しています。

展示のようす

この遺跡からは、今から2,200 ~ 2,000 年前の弥生土器や、分銅形土製品が出土しました。
分銅形土製品には、ふんどう君でおなじみのにっこりな笑顔はなく、どことなくミステリアスな雰囲気を漂わせています。

分銅形土製品

そして今回の目玉は、方眼紙に描かれたこの図面。出土した土器と並べて、これを図面に起こした「実測図」を展示しています。

出土した土器と実測図

土器を正面から見た状態と断面の形状を、細かく計測、図化し、これに観察所見を書き込んでいます。

みなさんにお見せする機会のめったない実測図。実物とともに、弥生人の土器作りの技術と現代人の図面描きの技術を、ぜひ見比べてください。

 

 

埋蔵文化財センターの仕事について【写真の撮影2】

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こんにちは、スタジオです。

2021年8月のブログ[銭貨の保存処理(前編)]で紹介された、「銭貨」が写真撮影のためにやってきました。

その数559枚! 裏面にも大事な情報があるので、すべて表と裏の写真が必要です。

おもて面        うら面

文字・鋳型のズレ・劣化の具合などを確認しやすいよう、普段使う大型ストロボではなく、写真用電球を使うことにしました。

ちょっと光を柔らかくして、余分な光を防いで、セットを組みました。

光を調整している様子

間違えないように1枚ずつ撮ります。フイルムだと(もったいないので)2~3枚は一度に撮るところでしたが、デジタルカメラになって大量のカットを気軽に撮影できるようになりました。

真上からの撮影に頼れる相棒は、写真スタンド。安定感が三脚とはだんちがいです。

ライブビューで拡大してピントを確認。ブレないようにレリーズを使って、シャッターを切ります。

撮影の様子

撮影画像を確認・・。現像処理して・・・名前を付けて保存。
同じような銭貨がたくさんあるので、気を抜けません。

パソコンで現像処理をしている様子

 

クリーニング前        クリーニング後

洗浄・クリーニングを終えた銭貨・・・見違えますね!
これも「開元通宝」だとわかりました。 

次は保存処理後の撮影が待っています。(^^;)

埋蔵文化財センターの仕事について【調査の成果を残す】

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発掘調査の成果を文書で残すことも、埋蔵文化財センターの大事な仕事です。
埋め戻してしまうと、発掘現場の様子は2度と見ることができないので、その記録を活字と挿図で後世に残します。

その成果品のうち、速報版を「概要報告書(概報)」、決定版を「調査報告書」と言います。
今年度は3遺跡の「概報」、そして8遺跡の「報告書」を作成しました。一部は現在、刊行に向けた作業の真っ最中です。

方眼紙に記録された遺跡の図面

発掘調査では住居などの遺構を方眼紙に記録しますが、調査区の面積が大きければ大きいほど、膨大な数の図面が出来上がります。これらを整理・統合して、デジタル(パソコン)上で製図し、DTP(卓上出版)ソフトを使って、これまたデジタル上で本の体裁を整えていきます。

DTPソフトを使った編集作業

ここには6月、11月のブログで取り上げた土器の実測図のトレースデータや、7月にご紹介した遺物の写真もレイアウトします
見やすい、わかりやすい図版の作り方には、経験に裏打ちされた熟練の技と、なによりもセンスが求められます。

最終の段階では、これまでのデジタルから一転して、アナログな作業になります。
校正といって、紙に出力された文字、図版に誤りがないかどうかを繰り返しチェックします。
何度見ても誤字脱字は見つかるものですが、完全を目指して作業は続きます。

根気の要る校正作業

完成した「調査報告書」は、松山市考古館のロビーや図書館、またPDFファイルであれば奈良文化財研究所のホームページでもご覧いただくことができます。埋蔵文化財センターの仕事の成果を、ぜひご覧ください。

 

 

埋蔵文化財センターの仕事について【土器の復元2】

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 こんにちは。復元室です。

 前回のブログ(2021年5月12日)で、小さな土器の破片から土器を復元するようすを紹介しておりましたが、その後、紹介した破片から土器が1点復元できましたのでお知らせします。
 約1500年前に作られた古墳時代の須恵器・甕(かめ)で、上(口縁部)から下(底部)までほぼすべての破片がそろっていました(高さ49cm、口径25.6cm)。
 ひずみが生じないように、すき間なく接合するのがとても難しかったです。

平面展開
接合できる破片を机の上に並べます          
立体復元
接着しながら立体的に組み上げます 

 今回は、平面展開が5日間、立体復元が2日間、計7日間で完成させることができました。

 通常、遺跡から見つかった土器は、すべての破片がそろっていることはほとんどありません。したがって、破片がない部分は穴があいた状態になりますので、松山市では復元するときに、加工しやすく補強にもなる「石こう」を使っています。

 松山市では、この「石こう」を復元だけではなく、「ふんどう君ペンダント」に変身させる仕事もしています。
 ペンダントの完成までには、たくさんの作業工程があり、時間をかけてコツコツ作っています。

お絵かきができるよ!!
『ふんどう君ペンダント』

松山市考古館の受付で販売(1個100円)しています。

 ペンダントは、児童クラブなどで実施している「出前考古学教室」で人気があります。
 みなさん、笑顔で思い思いの絵をかいてくださいます。
 それを見て私たちもうれしくなり、ペンダント作りのはげみにもなっています!(^^)!

 

 

埋蔵文化財センターの仕事について【土器のトレース】

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 こんにちは。
 実は、考古館から少し西に上がった所にある文化財情報館でも、遺跡の記録保存作業をしています。
 今回は情報館より、土器の「トレース」について紹介したいと思います。

 土器などを実測した後に、原図を書き写す「トレース」という作業をします。遺跡で見つかった遺構や土器などを年報や報告書などに掲載するための作業です。

 12~13年前ころまでは、原図にトレーシング専用の用紙を貼りトレース専用のペン(ロットリング等)で書き写していました。

 トレース作業は、遺物などの状態を分かりやすく表現するために、線を描く箇所によって、例えば断面は0.3 ミリ、側面は0.2ミリ・・など、ペン先の太さを替えて作業をします。とても繊細な作業で、長い線を描く時は手先が震えない様にしばらく息を止めてすることもありました(>_<)。

   トレース専用ペン(ロットリング)               手描きトレースの様子 

 現在では、時代の進化と共にトレース作業がデジタル化され、細かく表現したい場所を画面上で拡大して作業することができたり、間違えてしまった線の修正が簡単にできたり、線の太さを簡単に変更できたりと作業効率が上がったほか・・、とても老眼には優しくなりました(^^♪。

デジタルトレースの様子 情報館の正面玄関

 考古館は11月末まで改修工事のため閉館してますが、情報館は開館していますので是非この機会に遺物の展示を見に来てください。お待ちしております。

 

 

埋蔵文化財センターの仕事について【試掘調査】

投稿者| hajiki in その他, 出土物整理, 報告書作成 | 埋蔵文化財センターの仕事について【試掘調査】 はコメントを受け付けていません

『試掘調査について』

 試掘調査は、埋蔵文化財包蔵地というエリア内で、開発が行われる予定地に遺跡があるかどうか調べ、遺跡がある場合はその範囲や性格(時代・遺跡の種類)を明らかにするものです。

 ここでは、試掘調査の工程(ながれ)について紹介します。

 ①トレンチ(調査する範囲)を設定し、重機で掘り下げます。
 ②掘り下げが終了すると、壁面と平面を精査(掃除も)します。
 ③対象地内やトレンチ内を測量した後、写真を撮影します。また、遺構や遺物がみつかった時も写真撮影をします。
 ④調査が終了すると重機でトレンチを埋め戻し、最終確認をして試掘調査を終了します。

重機で掘り下げている様子           遺跡がみつかった様子

 

壁面の土層を調べている様子 埋め戻している様子

 もしかしたら、松山市内のどこかで試掘をしている私たちの姿を見かけるかもしれません。
 重機が動いていたり、深い穴があいていたり・・と非常に危険ですので、関係者以外の立ち入りはご遠慮くださいませ。
 ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

埋蔵文化財センターの仕事について[展示会の準備]

投稿者| doguu in 出土物整理 | 埋蔵文化財センターの仕事について[展示会の準備] はコメントを受け付けていません

埋蔵文化財センターに附属する松山市考古館では、年に5回ほど展示会を開催しています。
今回は、その準備の様子を紹介します。

まずは、
テーマを決めて、展示する遺物や写真などをピックアップ。

たくさんある遺物の中から選ぶのは大変!
とっても時間がかかります。

展示品が決まったら、
遺跡や遺物の説明文を書き、複数の人でチェックします。
OKが出たらパネルに貼ります。

 

空気が入らないように…
慎重に…

収蔵庫から展示室に、遺物や写真を運び入れます。

 

どこに置いたら伝わるかな…
様々なことを考えながら置いていきます。

壁には、発掘時の写真がたくさん。

 

写真の下に説明パネルを貼ります。
まっすぐかな?水平かな?

 

ばっちりです。

展示室の設営は約5日間で完了です。

 

伝えたいことが伝わるかなぁ。

現在、考古館は長寿命化のための大規模改修工事に伴い11月30日まで閉館中です。
12月から、きれいになった考古館に ぜひお越しください。
(次の展示会は『いにしへのえひめ』の予定です)